しっかりと構築された世界観にもとづいて描写される街や村は、アトリエシリーズのもう一つの主役といってよいでしょう。どの町や村にもそこにしかない産業や文化があり、それゆえにそこに暮らす人々は自分たちの町や村に誇りを持っています。
 主人公ヴィオラートの住むカロッテ村の住人たちも、もちろん例外ではありません。誰よりもカロッテ村を好きな彼らが村おこしに立ち上がったのも、
当然のことなのかもしれません。

 

■ファスビンダー

 
■ハーフェン  
■ホーニヒドルフ  
■妖精の森(村)  
主人公ヴィオラートたちの住む『にんじん村』
 
ヴィオラートの家の前で立ち話。冷ややかな目で兄の話題を受け止めるヴィオ。   特産物であるにんじんの畑があります。
うしろのお屋敷は・・?
 カナーラント王国の北東部に位置する農村。農業が主産業でニンジンが特産物だが数が多いだけで高級品ではない。土地も広いが畑しかないので居住区域は村の中心部しかない。田舎で何もないが、その分自然が豊かで空気や水もきれいで静養に訪れる旅人などをよく見かける。
 このカロッテ村周辺の土は良質でレンガや陶磁器に向いていると言われているが、村にはその加工をする技術が無い。
 過疎化問題で人離れが進んでおり、深刻にとらえた村長のオイゲンは村おこしをすることを決意している。もし村おこしによって人がやってくるようになれば有り余る土地を武器に村ではなくちゃんとした城壁のある城塞都市にまで出来るのではないか、と夢見ている。
     
ワインで栄える街のシンボルは巨大な『たる』
 
街のシンボルである巨大な酒樽『クラリッサ』。このたるのワインは自由に飲むことができるのです。   酒の街だけあって、酒場も本格的。
普通の大きさのたるもたくさんあります。
 王国北部の丘陵地帯にある小さな城塞都市。しかしこの街はその規模に反して抜群の知名度を誇っている。それは、この街の入り口に設置されている巨大な酒樽「クラリッサ」。王国一の大きさを誇るその巨体には王国中の人間が集まっても飲み干すのに1年以上かかるほどのワインが入ると言われている。
 クラリッサはかつてファスビンダーの街を作った初代市長が大のワイン好きだったことから寄贈されたもので、中には当時からずっと寝かされているワインが入っている。街の住人だけでなく誰でも自由にくみ出して飲んでも良いとされているが、古いワインなので少々カビくさい。収穫祭のあと、余ったワインが毎年足されている。
 ファスビンダーはワインの生産地としても知られていて、毎年新年になると豊作祈願の祭りが行われている。街中、ワインと樽で溢れている街である。観光客も多い。
     
堅固な城塞を誇るカナーラント王国の首都
 
街中いたるところに運河がながれており、その美しさは一軒の価値ありです。   街門にてローラントと会話。彼はこの街を警護する竜騎士隊の一員のようです。
 カナーラント王国の首都。王国のほぼ中心に位置する王国最大の城塞都市で人口はおよそ2万人。街のすぐ北にあるクロアル湖とそこから延びるヴィスコー川に街の北、西、南の三方を囲まれており遠くから見ると水上に街が浮かんでいるように見える。
 運河の国と呼ばれている中でも特に海運業の盛んな街で、街では川から街の中に運河を引いていて小舟がひっきりなしに荷物の運搬をしている。またクロアル湖には、王国の海岸部の街や諸外国などに商品を輸送するための大型帆船が何隻もある。帆船が通過するということもあり、ヴィスコー川には橋が1つもないのが特徴。そのため対岸に行くためには渡し船を使うか、クロアル湖の北を大きく迂回するしかない。
 その地形条件から物品の流通が盛んで、常に景気がよく、諸外国の珍しい品物で溢れている。王国は地理的に諸外国との紛争があまりなく平和で、そんな中、武器を取り扱う店があるのも王国の中でもこの街だけである。
     
クマ被害に頭を悩ませる養蜂の村
 
村で管理されている大きな『キュクロスバチ』の巣。ハチミツの採取は命がけ。  

酒場のマスターはちょっとコワモテ。
ハチミツ目当てであらわれるクマにも要注意です。

 王国西部、ゾラ山脈のふもとにある小さな村。人口はほんの数百人程度。養蜂が盛んなこの街は、王国トップクラスの蜂蜜生産で知られている。生産量こそ小さな村なのでそれほど多くないが、毎年品評会で必ず何らかの賞を取る優秀な品質の蜂蜜を生産しているということで蜂蜜の代名詞的存在の村である。各種蜂蜜を製造販売しているが、その中でもキュクロスバチという珍しい大型のハチ(非常に攻撃的!)の巣から採れる蜂蜜は一級品で、そのハチがいるのはこのホーニヒドルフだけである。ホーニヒドルフではこの蜂の巣を守るため、そしてキュクロスバチから村人を守るために蜂の巣のある大きなケヤキの木の周囲をぐるりと網で囲って、入り口には常に門番を立てている。頼めば有料で蜂蜜採取をさせてくれるが、採取は命がけである。
 森深いゾラ山脈の側で蜂蜜を作っているためこの街の周囲では蜂蜜の匂いに誘われたクマがよく出没し、毎年クマに襲われてケガをする人が出る。村では周囲に柵をめぐらせクマが入ってこないようにしているがそれでもクマ被害に頭を悩ませている。
     
おなじみ『妖精さん』がいっぱいの集落
 
村にある大きな樹。木陰で昼寝でもしたら気持ちよさそうです。   おいしそうな果物がなっている木もあります。この妖精さんは・・?
 カロッテ村の西にある小さな森。昔から妖精が住んでいると言われていて、運がいいと妖精に出会えるという言い伝えがある。
 しかし実際は、下手に森に迷い込むとどういうわけか見当違いの方向から出てしまったり、あるいは永遠に森から出られなくなるなど危険な森である。森全体に何か不思議な力が満ちているとも言われている。
 森の奥では妖精さんの一族が、巨大な一本の木のふもとでささやかな生活をしている。妖精さんは人里にやってきて仕事を手伝うのを生業とするのが常だが、ここの妖精の森は長老が用事で出かけている(帰ってくるのは数十年後らしい)ために勝手な行動をすることが出来ず、誰も手伝ってくれない。全員、畑仕事や家畜の世話、魚釣りなど自分たちの生活が出来る最低限のことをして暮らしている。