2-8.GUST

  Fomula highpowerd史上最新のチームで、今年(2024年)初登板となるチーム、ガスト。
 少ない資金で最大限のパワーを発揮するための手段は如何なるものか?強烈なまでの特化と、大きな犠牲による大きなパフォーマンスに、ルーキーにしてトップを狙う意気込みが如実に現れている。
エンジン:バイリアス重工B−4

 バイリアス重工の最新鋭エンジンB−4。
 バイリアス重工自体がFomula highpowerd歴が短い事もあり、最新鋭といえど性能的にはA-max社製エンジンには一日の長がある。しかしこのバイリアス重工製エンジンには、超軽量、超小型という利点が備わっている。
 エンジン自体は吸気機構を大幅に改良した単純ターボジェット方式である。エンジン回転数は通常の旅客機用ターボジェットに比べ遙かに高いが、やはりラムターボ・ハイブリッドエンジンに比べると、最高速の頭打ちが非常に気になる。しかし、純粋なターボであるBシリーズは、加速性に関しては群を抜いている。ラム機構が存在するために重くなり、尚かつターボ型に最適化できない A-maxエンジンを嘲笑するかのように、Bシリーズエンジンはターボジェットの加速性能理論値をほぼクリアしているのだ。
 実はガスト機のB−4は、通常のB−4をカスタマイズしている。そしてこれはある意味、大きな代償を伴った超パフォーマンスを導き出したとも言える。ガスト機のエンジンは、上に挙げているような加速性能の良いエンジンをより一層加速性能の向上に費やした物である。 故に、ガスト機の加速性能は、ターボジェットの理想値を遙かに上回る値を出している。
 これはターボエンジンの温度差による圧縮膨張の仕組みを最大限に利用した、燃焼温度の高温化により実現している。燃料には通常のケロシンといわれるものではなく、アーク放電によるプラズマ熱を使用している。その為、内外の温度差に通常より遙かに大きな差が出来、通常よりも大きな加速力を生み出すのだ。
しかし、この手法で行うためには、高速になって行くに従い、相当な耐性がエンジンに必要である。現時点で、B−4を使っている以上、この壁はクリアできずにいる。ガスト機は、最高 速度が厳密に1530wph程度でピッタリ止まってしまう。これは、エンジンの焼け付きを防止するための、防衛リミッターなのである。
 ここまでして得た加速力を、ガストチームはどこまで使いこなすことが出来るだろうか。それに全てがかかっている。
機体:プラティマテリア

 ガスト機に最も近い機体はどのチームか、と聞かれたとき、アカシナ機であると答えたら、読者諸君は驚愕するであろうか?しかし、事実ガストとアカシナは、偶然ではあるが非常に近いマシンコンセプトを持つ機体同士なのである。
 その一要素目は、既に述べたエンジンである。両機共に、バイリアス重工の超軽量エンジンBシリーズを登載している。そして、2点目は外壁素材だ。ガスト機の外壁素材、プラティマテリアは、軽量、かつ強硬度の素材である。ガスト機のコンセプトは加速性、そしてその加速性を追求するため、ボディーの最軽量化を図った結果の素材である。アカシナのボディもまた軽い。アカシナの項で説明したとおり、アカシナはあの機体サイズで、ガスト機に次ぐ軽さを誇る。そして首位に立つガストに関しては、機体重量1tを切る、超軽量機体なのだ!
 その一要素であるプラティマテリアという素材。この素材、決して最新の素材というわけではない。一昔前に、宇宙開発用として多用されていたプラティナの合金である。軽量、強硬度以外に取り立て特記事項もない、非常に地味な素材である。しかし、この地味さが、コストパフ ォーマンスを向上させる一因となり、ガスト機に歓迎されたのだ。
ブースター:テンペスト

 ブースターといって思い出すのは、同じく新鋭チーム、フォークナーだろう。しかし、ガストのブースターは、フォークナーのそれとは一線を画す代物だ。
 テンペストは、主に高速走行中において最大限に威力を発揮するものであり、フォークナーの加速に重点を置いたものとは全く逆である。ガスト機は、上記の事情により1500wph程度のスピードしかでない。その為それを補うためのエンジンがこのテンペストである。
 テンペスト点火中は、内部のエンジン(B−4)はアイドリングに移行する。ここで回してしまうと、外的要因がエンジンを高速回転させてしまう危険性があるからだ。テンペスト自体は、加速の必要は皆無であるため、堂々純粋なラムジェット方式を採用している。その為、最高速に関してはラムジェットの理想値に近い値をはじき出す。
 使う場所、数々の制限などが多数つきまとうガスト機。しかし、瞬間最大威力は、他のマシンと比較しても遜色ない、いや、それ以上であるという、不思議で興味深いマシンなのである。

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