2-7.XENUM

 Fomula highpowerdレースに興味の無い人でも、このXenumという名前は一度は聞いたことがあるだろう。
 極端なまでに巨大な機体、レースに勝つことを全く考えていない構造、チームポリシー…。どれをとっても、他のチームとは一線を画した異端中の異端。
エンジン:Arcturs 240s BigDipper

 重量で言えばFomura highpowerd史上最も重く、大きさで言っても同様。そして、出力で言ってもこれに勝るものはない。
 このエンジンの大きさは、エンジンの単体サイズと、最も小さいGUST機のサイズがほぼ同程度、と言えば、どれ程の大きさかご理解いただけるだろう。 エンジン自体はArctursお得意の電気推進式である。が、C&MやHecthor機に付けられたそれと全く違うのは、このエンジンは完全な宇宙開発用のものそのものを使用しているという事である。即ち、レース用のカスタマイズは殆どされていない。
 それもその筈である。機体サイズはFomula highpowerd平均の約16倍、素材も剛性重視の重量級素材を使用しているのだから、地上用のエンジンでは、もはや役不足なのである。
 これだけのエンジンを搭載していながら、Xenum機はとても遅い。最高速度も、加速力も全くないと言っても過言ではないだろう。しかし、このXenum機、多少のかすり程度ならびくとも せず、また、他のマシンが衝突した際にも、相手のマシンが壁に当たったかのように、相手のみが大きなダメージを受けるという。安定性、安全性にかけては他のマシンの追随を許さない。
 しかし、Xenum機がこれだけの安定性、強固性を求めたのは、何も安全性の追求からではない。それは純粋に、他のマシンへの攻撃の為、即ち自分から当たりに行くことができるようにする為に他ならないのだ。他のマシンの妨害、という事を一つの目的とするXenumならではのマシン 構成である。
ゲイボルグ超出力光学兵器

 Xenum機はまた、禁止武器の宝庫である。そして、その中でも最も凶悪でかつ卑劣な武器は、ゲイボルグと言われる、いわゆる反射レーザーである。
 通常のレーザーと呼ばれる光学兵器は、規定違反とはいえ、殆どのチームが暗黙的に持っているのが実状だ。しかし、そのような誰もが持っている兵器を持っていても面白くない、というのがXenumチームのモットーである。
 ゲイボルグは1門あたりの出力が、通常のレーザーの約1.4倍有り、しかもそれが3門まとまって存在している。これを3門一気に受けたマシンは生きては帰れないだろう。 ゲイボルグ自体は、若干波長の違う光波を何本も束ね、一つの大きなエネルギーに増幅している。一度撃つと、相当量のエネルギーを消費する為、Xenumの様に大型燃料タンクは持っているマシンでなければ到底実用的とは言えまい。
剛炭素繊維合金(SCT)

 別名「工業ダイヤモンド」と言われるほどに硬い剛炭素合金を改良し、繊維性を持たせること により衝撃にも強くしたXenumチーム自慢の一品である。
 相当重いことを除けば、全てに於いてハイエンドの性能を持つ。耐衝撃性、熱遮蔽性に優れ、非伝導体であるため、電気系のトラブルにもめっぽう強い。
 一つだけ弱点を挙げるので有れば、唯一、光学兵器に対する対策は殆どされていないことくらいだろう。

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