2-1.Velvet works

 全てのチームの羨望の眼差しを一身に受けるVelvet Works。
 このVelvet worksのマシンには、他の機体の追随を許さない、幾つもの特殊な機構が取り入れられている。
エンジン:A-max AM-F341i/Foxtrot

 まず、ロケットエンジンながら吸気機構を持つスクラムジェットタイプで、同チームの専任技術者らとA-max社研究開発部との共同開発によるVelvetオリジナルだ。
 俗に言うATREXエンジンといわれるものの亞種で、特徴としては、独自開発の高圧コアグレーション・コンプレッサーを2基装備し、吸引→冷却圧縮→噴射という一連の課程を瞬間的に行う機構を持つ事である。
 これにより、2大燃料のうちの「酸化剤」の保持量は実質無となり、構造効率はより一層緩和される結果となる。ただ、酸化剤に比べ、大気中の酸素濃度は非常に希薄だ。
 それ故、燃焼効率を上げるための改良もまた行う必要が有る。実際、酸化剤消費量の5倍の吸引量で初めて釣り合う計算となるのだから。
 これに関しては、エアインテイクでの圧縮空気をプリクーラーで冷却する際に、液化水素による摂氏−250度での瞬間冷却を行うことで圧縮密度を向上、また、独自のエアインテイク構造により、超高速下での吸引効率を向上させてクリアしている。

F-UNIT:FresTex 31153/F With bus controler

 上方降下型フローターユニット採用。機体をつり上げるような形で取り付けられている。
 安定性は抜群だが、エネルギー取得率が非常に悪いことが欠点として挙げられる。 チームが敢えてこの方式を採ったのは、エンジンFoxtrotの影響が大きい。
 Foxtrotのタービンコンプレッサーはエンジン下方に位置している。Velvet機のフローターユニットは、コンプレッサーからの空気圧により回転する。コンプレッサーからの斑のある圧縮空気をフラッターで均一圧力にし、チップタービンといわれるタービンを回転させているのだ。送気の効率化の都合上、下方に位置することは出来ない。チップタービンとフロータージャイロは耐性に雲泥の差があるため、同一場所に置くことは出来ないのだ。その為、下方にチップタービン、上方にフロータージャイロという構造になるのはやむ終えない事情なのである。
 Velvetチームの実験によると、エアダクトの屈折によるダクト耐性強化とエネルギー欠損に比べれば、この程度のフローターエネルギーの欠損など微々たるものだという結果が出ている。これが吉と出るか、凶と出るかは、全てパイロットの腕に委ねられている。
装甲:Type A-max V40/Mc V41/Mc

 Velvet機とAKASHINA機のみに施されている鏡面装甲。厳密にはAKASHINA機のそれとは全く装甲種が異なる。
 Velvet機の装甲はMc装甲といわれるミラーリング処理だ。この装甲は必ずしも新しい素材ではないが、歴戦の裏付けのある手堅い装甲である。殆どの光波による波動は完全にシャットアウト、跳ね返す力を持つ。ここで「光波」という限定は、Velvetチームには非常に嬉しい制限だ。なぜなら、俗に言うレーザーは光波の波動エネルギーを極限まで上げた兵器だからである。Velvetチームは、凶悪無比と言われるXenumのゲイボルク光学兵器をいとも容易く屈折させてしまう。しかも、同じ波動種であるD.P.素子は電磁波の分類であり、反射、欠損は起こらない。
 ただ、無敵の装甲にも弱点があり、非常に綿密なメンテナンスを必要とする装甲でもある。少しでも傷の入った装甲は、耐性を著しく低下させ、その状態での長時間使用では一斉剥離すら起こりゆる。完全均一の力によって保たれた装甲が力のバランスを失うために起こる、完璧故の弱点なのである。

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